沖縄料理の宴3/5:変わりパパイヤイリチー |千切り青パパイヤの炒め物
Papaiya Irichi a la madhu|Stir fried Green papaya and Homemade Pancetta
変わりパパイヤイリチー|
本来のパパイヤイリチーは豚バラ肉を切って炒めて脂をにじませて、
細切り(しりしり)した野菜・パパイヤ+ニンジン+ニラを炒めて、
粉末ダシ+塩+コショウで味付けしたもの。
今回のは千切り青パパイヤ+ズッキーニを
太千切りしたパンチェッタを炒めた旨味+ポン酢少々+
シークワーサー果汁で味付けした炒め物なのでmadhu風。
これ単独ではご飯のおかずにはならないけど
この日は炊き込みご飯クファジューシーと角煮ラフテーがある。
甘く熟す前の青パパイヤは野菜。お肉や脂の消化を助ける働き者なのです。
だから箸休めにもピッタリ。
有り難いことに最近は青パパイヤが年中近くのスーパーで手に入る。
だから気軽に生でサラダ、炒めたりスープでと色々楽しめるのです。
「琉球長寿豚とパパイヤとシークワーサーが一皿で出会うとは!
沖縄食材の共演かあ」
変わりパパイヤイリチーを、お箸でがっつり掴んでは口に運ぶ腹ペコさん。
ところで、パパイヤって一本ごとに性別があるって知ってた?
オス・メス・両性があって
両性にも更にオス系、メス系があるんだって。
「えっと、俗に言うオカマとオナベみたいなもの?」
アハハ、それはどうなんだろ。
でもパパイヤの性別は育ってみないと判別出来なくて
木の性別で実の形も違うんだって、面白いよねえ。
「形が違うって、どれがメスとか見て分かるんだ」
一般には丸い実だとメスの木で、細長いのは両性の木だそう。
純粋なオスの木だった場合、実がつかないという悲しい事態。
そのオスの木の運命は…処分ですってよ。
「おうっ、それは、、、パパイヤ農園キビシイねえ」
たまに細長いパパイヤで中に種が無いのがあって
それが両性のオス系なのかな、と思うんだけど。
パパイヤは暖かい部屋に置くと勝手に追熟する。
そうすると中の種も明るい茶色になってくるのです。
種をかじると苦味と共にヒリリとした辛味。
調べてみたらこのツーンと来る辛さはワサビと同じ成分だそう。
トレビス、チコリ、エンダイブ、ゴーヤといったほろ苦好きな私は、
時おり種をサラダに加えて楽しみます。←白い種のうちは苦味の方が強かった
熟した種はゼラチン質の膜に覆われてて、それを取り除くと
ラグビーボール状のモケモケしたモノになる。
種まきするのは、この状態で。
暖かい時期なら簡単に発芽するから、
新芽を摘んでほろ苦いスプラウトのサラダもオススメ。
南国では一年であっという間に二階の屋根を越えて実がなる程の急成長。
私の住む関東エリアで大きくするには冬越しが必要で
以前育ててたのは、3年目に冬越し失敗して枯らしちゃいました。
1m超えて大きくなったから油断してたの。
だから画像のパパイヤの木の性別は不明なのです。
次回は磯の香り、アーサー汁です。
沖縄料理の宴2/5:ラフテー|沖縄風豚の角煮
Rafute|Simmered Pork Belly
沖縄料理の宴2/5:ラフテー|沖縄風豚の角煮
沖縄のクファジューシーに合わせる豚の角煮ラフテーの準備。
それを見て腹ペコさんが不思議そうに聞いてきた。
「ねえねえ、角煮とラフテーって何が違うわけ?」
んー、そうだねえ。私の中ではラフテーは泡盛使って黒砂糖でこっくり味。
中華の角煮は紹興酒使って八角やネギ、砂糖で風味を付けるって感じ。
大雑把な作り方|
豚バラ肉のブロック(出来れば皮付き)を用意して
圧力鍋で5分蒸してそのまま冷ます。
↓
鍋を洗い、圧力鍋に水を加えて今度は5分煮る。
↓
豚バラ肉のブロックとスープを分けてタッパーに入れ冷蔵庫で冷やす。
↓
スープに浮いた脂が白く固まったら取り除く。
冷えた豚バラ肉のブロックを大ぶりにカットする。
↓
鍋にカットした豚バラ肉を入れて
スープ+醤油+黒砂糖+泡盛+スライスしたショウガを加えて弱火で煮込む。
途中、アクを取りながら20分ほどしてアクが減ってきたら
一旦火を止めそのまま冷ます。
好みの煮込み加減まで2、3回温め直しを繰り返す。
一晩置く時に豚肉と煮汁を分けておき
翌日、再度煮込む前に煮汁の白く固まった脂を取り除く。
↑右下のラフテーは一日目のもの。
「味が染みてなくてもいいから、今食べたい!すぐ出してー」
腹ペコさんがあんまり言うので出した。
程よい甘みの角煮ってごはんに合う。
だから炊き込みご飯の前に白ご飯で食べたいんだって。
「あったかごはんに豚肉を乗せて、このタレをスプーンでちょろり。
これで何杯でも食べられるんだよね」
翌日になれば、もっととろけるお肉になるのに…もったいない。
泡盛は小さな100mlボトルをお土産でもらったもの。
香りがとても良いのです。
後で知った。Amazonでは1400円もするらしい。ひゃー
翌日、味が染みた柔らかなラフテーを取り皿に山盛り取って
もふもふ食べながら腹ペコさんが言う。
「うはー、このとろけるお肉!ラフテーと炊き込みご飯、最高!!」
えっと、昨日と言ってること違ってますが。
「いいの、いいの。角煮旨けりゃ全て良し。細かいこと言わない」
そういうの沖縄の言葉で、てーげーって言うんだよね。ふふ
次回はパパイヤイリチーです。
↓ゆっくり飲むならこっち
↓料理にはお手頃価格のこちら
沖縄料理の宴1/5:パンチェッタを使った沖縄の炊き込みご飯|クファジューシー
Cha Plu Kufa Jushi|Okinawan mixed Rice with Wild betel Leaves and Homemade Pancetta
チャプルーの葉を刻んだクファジューシー|
ジューシーは雑炊、クファジューシーだと炊き込みご飯。
豚バラ肉と野菜を炊き込むのが多い。
フーチバー:沖縄のヨモギを使ったクファジューシーが
とっても旨いのだ、という話を聞いて家で作りたくなったのが最初。
冬季は室内で冬越しさせて鉢植えで苗を育てているのです。
他にも、カンダバージューシー:イモの葉、 ←宇宙芋の葉でやった
チリビラージューシー:ニラとか何でもジューシーで楽しめる。
石垣島ではピパーツ:ヒハツモドキ、ロングペッパーの葉を使った
クファジューシーもある。
うちのピパーツはまだ小さくて使えないから、遠縁のコショウの仲間で
柔らかく香るチャプルー:ハイゴショウの葉を刻んで炊き込んだのです。
沖縄にはスーチカーという豚バラ肉を塩漬けにした保存食があるので、
二ヶ月熟成の琉球長寿豚のパンチェッタを使って更に旨味を追加。
パンチェッタをスモークしたのがベーコン。
なのでパンチェッタのハーブ炊き込みご飯と言えば味の想像がしやすいかも。
大雑把な作り方|
パンチェッタのブロックを熱したフライパンに乗せて
表面の脂をじわじわ溶かす。
取り出して、ブロックのまま熱湯に入れ、弱火にしてスープを取る。
↓
取り出したパンチェッタ+干し椎茸+ニンジン+ショウガ+昆布
を細かく切っておく。(※チャプルーの葉は仕上げの際に切って加える)
*この日は聖護院大根の葉が有ったから追加
*椎茸の戻し汁も炊き込みに使う
*昆布は出汁、ポン酢作りに使ったもの
↓
鍋に米+パンチェッタのスープ+鰹ダシ+醤油+酒+
カットしたパンチェッタ+野菜を乗せ炊き込む。
↓
炊きあがりに刻んだチャプルーの葉を加えてフタをして蒸らして出来上がり。
やや固めの炊き上がりが好きなので、スープの量は通常の炊飯より少なめ。
パンチェッタは塩抜きせずに使うので、塩は加えない。←味を見て薄ければ仕上がり後に追加
↑発色剤を使ってないから、豚バラ肉の内側はナチュラルな色。
昨年夏、はてなで仲良くしていただいているfridayusaoさん (id:fridayusao)
の記事でアップで撮った自家製の美しいパンチェッタの画像を載せていたの。
私が作ってみたいと言ったらコメント欄でfridayusaoさんと
リコさん (id:ricoteas) が家で作る際のコツやヒントを教えてくれたのです。
琉球長寿豚は特別な品種ではなく、餌や育て方を工夫した豚肉。
見た目厚い脂身だけど、脂の質が軽い。そして程よい甘みと香りの良さ。
いつも行くお店では、皮付きのバラ肉ブロックがお手頃価格。
なので大き目サイズも買いやすい。
他の近い価格帯の豚バラ肉も同時に塩漬けにしたのだけど、
琉球長寿豚は豚肉の持つ臭みが本当に少ないのです。
生のまま扱うのでニオイの差が大きかった。
調理してしまえば肉の芳ばしく焦げた香り、スパイスや調味料で
かき消されて差など分からないんだろうけどね。
上手く出来たら、このクファジューシーとボルシチに
一番に使おうと決めてたの。
普段は鶏を使うことが多い炊き込みご飯。
チャプルーのクファジューシーは中華の炊き込みご飯ともまた違う。
豚肉の持つ強い旨味、昆布や干し椎茸のダシでしっかり味付け。
ごはん粒は溶け出したパンチェッタの脂をまとって柔らかなツヤを放つ。
仕上げに乗せたチャプルーの甘みのある独特の香りが
ほんのり漂う南国風の不思議な炊き込みご飯に。
「ヨモギのと全然違うねー、これ」
パンチェッタのお陰で旨みが倍増よ。
うちの常連客、兼皿洗いの腹ペコさんもすごい勢いで食べている。
旨いものは集中して食べたいんだって。
「残ったごはん、明日はお茶漬け?それともおにぎり?」
ううん、もっと美味しくなる料理があるのですよ。
楽しみにしてて!
↑チャプルーの葉は、こんな感じ。鉢植えで花は咲くけど実にはならない。
タイ料理ではお馴染みの食材。料理の風味付け、野菜としてはもちろん
栄養豊富な薬用ハーブとしても有名。
やや厚みとハリがあるけど、味に強いクセは無く香りも穏やか。
だから脂の乗ったお肉ととっても相性が良いのですよ。
うちではお肉を焼いて、エゴマの葉や青シソと一緒に焼肉っぽく
定番のタレ二種類を乗せて食べたりもします。
・薬念醤ヤンニョムジャン(パジャン):
粉唐辛子+ニラ+細ネギ+白ゴマ+醤油+ゴマ油
・苦椒醤コチュジャンベース:
自家製簡易コチュジャン+すり白ごま+ゴマ油+みりん+きび砂糖
↑ピパーツ:ヒハツモドキ、ロングペッパーの葉はチャプルーよりも細長い。
石垣島でクファジューシーに炊き込まれるのはこちら。
早く大きくなって、ジャングルみたいに茂るのですよ。
次回は豚バラ肉の角煮、ラフテーです。
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↓チャプルーは買ってきたハーブを使って簡単に増やせます。