手作りたんぽ&地鶏ガラの旨味スープ|きりたんぽ鍋
Kiritanpo nabe|Chicken and vegetable stew with Kiritanpo
手作りたんぽ&地鶏ガラの旨味スープ|きりたんぽ鍋
秋田県とは縁もゆかりもない私ですが、何故かきりたんぽ鍋が好き。
寒い時期は材料が揃ったら(揃わなくても無理やり)
自家製のきりたんぽを入れて、鶏とキノコの出汁が効いた
野菜たっぷりの温まる鍋にすることが多いのです。
きりたんぽ鍋を構成してるのは
・比内地鶏丸ごとのスープ(鶏のガラ、レバーやキンカンも全部使う)
・ゴボウ、長ネギ、セリの風味(セリは風味が強い根も使う)
・舞茸、キノコの旨み
・糸コンニャク
・みりん、塩、酒、醤油、柚子果汁
・あきたこまちのきりたんぽ
だけど、これを全部揃えるのは大変。予算的にもアレですし…。
うちの近所で買えるのは、はかた地どり・阿波尾鶏くらい。(部位別で切り身)
だから地鶏の鶏ガラと手羽先とか、銘柄鶏の骨付きモモ肉を使います。
比内地鶏まるごと使って出汁を取る本場の味には遠く及ばないけど
予算内で近場で手に入る材料を使って、
一番美味しいきりたんぽ鍋にするべく尽力を惜しまない。って言い過ぎ。
でもね、焼きたてのたんぽに、地鶏ガラスープ使って
うちで作る美味しいみりん風調味料をたっぷり加えたら
なかなか旨いきりたんぽ鍋になるのですよ。
↑この日は阿波尾鶏ガラと霧島鶏。舞茸が買えなくてシメジ。
大雑把な作り方|
まずは阿波尾鶏のガラでスープを取ります。
圧力鍋で10分加熱。
旨味の強い脂が浮いたら、鶏ガラを引き上げて身を外す。←サラダや炒め物に使う
固めに炊きあげたごはんを熱いうちにすりこ木で潰す。
その時唱える「ハンゴロシ…。ハンゴロシ…」
『ハンゴロシ』とは、ちょっと物騒だけど
全部やっつけないで米粒の形が少し残るくらいに仕上げる
という美味しいたんぽのコツ。
↓
そしたら、温かいうちにすぐにたんぽ串に付けていく。
濃い目の塩水を用意して手に付けながら作業する。
時間が有る時はサーキュレーターの風で表面を少し乾燥させてから
ガスコンロの魚グリルで焼く。 ↑焼きアミにくっつかず表面がバリっと焼ける
(焼き上がりもサーキュレーターで素早く粗熱を取って串から外しやすくする)
↓
鍋にスープを入れて沸騰したらゴボウ、鶏の順で加えて
鶏に火が通ったら糸コンニャク、長ネギ、キノコの順に投入。
食べる直前に柚子果汁、醤油を加えて味の仕上げ。
セリをふわっと入れて、きりたんぽをサッと乗せて出来上がり。
※うちで気をつけてること
出来るだけ脂の美味しい鶏を使う。
キノコは舞茸が一番だけど、無ければしめじやひらたけ、たもぎ茸。
ぬめりの強いキノコ、椎茸や干し椎茸は風味が合わないので使わない。
醤油は仕上げに軽く色付け程度にちょろりと。
ゴボウは基本ささがきだけど、細めのゴボウは皮も薄く
柔らかいから2、3mm厚のスライス。
セリやたんぽは仕上げに乗せて、鶏とゴボウ以外はあまり煮込まない。
セリはどっさり入れたいから、一人ひと束。
手に入らない時はスープセロリやホワイトセロリを使う。
「スープ、すごいウマーーイ!
このきりたんぽをスープにちょっと沈めるとさ
串の穴に入ってくでしょ。鶏の脂とダシの効いた塩気を
キューッと吸い込んだとこを食べるのが最高。この穴が大事」
味噌たんぽで多少満たされてるせいか、腹ペコさんがよく喋る。
ごはんをつぶし過ぎちゃうと、ここでいい感じにスープを吸えないし
逆につぶし足りないと、スープ吸ってバラっとほぐれちゃう。
「たんぽ、エライよねー。ごはん潰して焼いただけなのに。
前に食べたナマハゲ鍋も旨かったなあ。また獅子頭鍋作ってよ」
豚バラブロック肉が安く買えたらね。
それかお店の一人前みたいに巨大肉団子一個はどう?
「それじゃタンコブ鍋じゃん、却下!」
えー、タンコブ鍋 おマヌケで良いのになあ。
で、鶏ガラや野菜でとっても良いダシが出てるから
きりたんぽ鍋の翌日は煮干しの香味オイルを追加して、
醤油味の鶏チャーシュー麺で楽しみました。
今季も既に何度も作ってるけど、寒いうちに
いっぱい食べておきたい、きりたんぽ鍋なのです。
今日は猫の日だったのよね。ま、うちは毎日が猫の日ですけど。フフフ
↓こっちの《たんぽ》はニャンコに買おうかと思案中。歳なのでね、冷えは禁物!
料理に使える南国植物|チャプルーとピパーチ、琉球百薬&月桃+フーチバー+ツボクサ+モリンガ+エアポテト
料理に使える南国植物|
月桃は粉末や生の葉を料理に使ったり、刻んで乾燥させてお茶にしたり。
乾燥させてる間、リビング中に月桃のほんのり甘やかな香りが充満するのです。
ただ、成長スピードがものすごく早いから鉢の植え替えを頻繁にしないと
すぐに鉢いっぱいに根が回ってしまうのがちょっとね。贅沢な悩み。
↓月桃の素晴らしい活用法がいっぱい!
モリンガ(ワサビノキ)はサプリメントで有名。
葉を刻んで料理に使ったり、乾燥させて細い茎ごと粉末にしてお茶に。
葉の形もオシャレで涼しげな風情。
琉球百薬は雲南百薬とかオカワカメ、アカザカズラとか名前が多い。
ツルムラサキの仲間なので茹でるとぬめりがある。使い方も一緒。
切って水挿しするだけで発根するのもツルムラサキと同じ。
ムカゴでも、根塊でも簡単に増やせる繁殖力旺盛な植物。
うちのはホームセンターで見切り処分50円で売られてた救出苗。
半年でツルが3m越えの成長力。葉っぱがハート型の可愛いヤツ。
写真で一緒に写ってる大きい葉っぱは宇宙芋(エアポテト)。
春先からぐんぐん伸びるから、大きな葉をアジア料理でお皿に敷いたり、
若い葉は炒め物や味噌汁の具にも大活躍。
お芋の方はジャガイモ、里芋、ムカゴと同じように調理。
皮をむくと黄色なのです。味はまあ普通のお芋系。
今年も植える予定で種芋の手配済み。
こんもりした葉陰でスズメ夫婦が寝泊まりしてました。
↓で、収穫した宇宙芋がコレ。デカっ!!
↑写真手前の小さなライムの横にあるのがツボクサ。
蓮の葉やフキの葉を小さくしたような形。
タイではブアボック、インドではゴツコラと名前がいっぱい。
沖縄ではカガングヮーグサと呼ぶんだとか。
生でも火を通しても使える、ほのかな苦味が料理の良いアクセントに。
貝柱を混ぜたかき揚げが美味。
冬越しのため室内に取り込んだ鉢で
こぼれ種から小さな小さな葉っぱが出てきた。
夏の間は茂ってて気付かなかったけど、←花も種も地味で小さいのだ
親の葉と全く同じ形のミニミニサイズ。
発芽から収穫までは、ちょっと時間がかかりそうだねえ。
↓下の写真の大根サラダとカットしたマルタバの具に混ぜ込んでます。
↑タイでチャプルー、和名で這胡椒ハイゴショウと呼ばれるこの葉っぱ。
香りがあるのでエゴマの葉と並べて、ラムや豚肉を芳ばしく焼いたのを
パジャンやコチュジャンベースのソースや、インドネシアのサンバルを乗せて
くるっと巻いてパクっと食べるのが好き。肉の脂とすごく相性が良い。
やや固くなった葉はピパーチ(ジャワナガコショウ)の代わりに、
刻んで炊き込むクファジューシー(沖縄風炊き込みご飯)にぴったり。
↑沖縄でピパーチ、島胡椒と呼ばれるヒハツモドキ。
ジャワナガコショウとも呼ばれてます。チャプルーより香りが立つ。
本来はこちらの葉がジューシーによく使われる。
うちでは挿し穂で根付いた2年苗だからまだまだ小さい。
大きく育ったら実を乾燥させてスパイスにしたり、
葉っぱをジューシーに炊き込んだり、
挽肉を包んで焼いたり、天ぷらにしたりと贅沢に使うのが夢。
枝から出る根でしがみついて伸びるタイプなので
去年ようやくポトス用の支柱を添えたとこ。
冬越しが10℃必要だから、ちょっと難しい。
↓どうしても欲しい方、こちらで苗を販売中。 関東へは送料込みで2,600円ほど
↑秋に採れる筍、四方竹と炊き込んだフーチバー。
フーチバー(琉球ヨモギ)もジューシーの材料に。
寒さに弱いから今は地上部を刈り取って室内で休眠中。
地下茎が鉢の中で広がってるから春になると
新芽が一斉に伸びてくるのです。
南国で育つ植物にはアーユルヴェーダ、漢方、ジャムーなどで
効果効能を取り上げられるものが多いです。口にしたもの全てが
身体に吸収されて、その効果を発揮するかどうかは不明だけど
日中の暑さに耐え強い日差しを浴び、多くの害虫と戦いながら
元気に育つ植物たちは本当にエネルギッシュ。
天敵から身を守るために身に着けた香りが
私達の食欲をそそり、気分をリフレッシュさせる。
だから、その抗酸化力や生命力を食事を通して取り入れるのは
意味のあることだと思う。まあ、理屈云々より旨いのですよ。
夏の朝、水撒きや収穫をしながらその香りに触れるのは
とても心地よい時間。そして晩ごはんは何にしようかと考える。
香りの良い料理を堪能すると、冬越しの苦労が報われるというもの。
夏にお隣に越してきた奥様には
「何か特殊なお仕事してるんでしょ?」
と、誤解されてますが。 ←否定しても信じてない風
↓チャプルーはタイ輸入食材店で買ったら挿し穂で増やせる
↓チャプルーの葉の香りが移って蒸し焼きになるハーブ団子の旨さ
↓お皿に敷いた大きな葉っぱが宇宙芋。使い終えたら炒め物に再利用するのです。
↓マルタバの具はラム肉+ホーリーバジル+モリンガ+ツボクサ+ワケギ+ニンニク
ツボクサ+大根のサラダも
↓生のツボクサを添えてます
沖縄料理の宴 オマケ:フーチバークファジューシーとジューシー翌日ごはん|焦がし醤油のクファジューシー焼き飯
Fuchiba Kufa Jushi|Okinawan mixed Rice with Fuchiba mugwort and Pork
フーチバークファジューシー|沖縄のヨモギを使った炊き込みご飯
苦味の少ない沖縄のヨモギを炊き込んだフーチバークファジューシー。
これは秋に出回る筍、四方竹シホウチクを一緒に炊いたもの。
葉先の柔らかい所を選んで、炊きあがりに加えて蒸らす。
色は悪くなるんだけど、鍋のフタを開けると
湯気と共に立ち上がるヨモギの香りがたまらない。
フーチバーは寒いのが苦手。なので冬の間は刈り込んで休眠。
春になると回り込んだ地下茎から新芽が一気に伸びてくる。
寒い時期は代わりに春菊を炊き込むクファジューシーも
手軽でなかなか旨いのです。
ジューシー翌日ごはん|焦がし醤油のクファジューシー焼き飯
チャプルー:ハイゴショウの葉を刻んで炊き込んだ
クファジューシーを翌日フライパンで焼き飯に。
パンチェッタの脂が米粒を包んでるから、
しっかりと熱した鉄のフライパンにそのまま投入。
木ベラでジャクジャクとほぐしながら炒め
仕上げに鍋肌にジュッと醤油を回して良い香りを立てたら
ご飯全体にムラ無くまとわせる。
そう、使うのは醤油だけ。
小さく刻んで炊き込まれたパンチェッタが
一晩置いて抱え込んだ旨味と塩分をじんわりと放出。
鉄のフライパンで一気に熱を加えられたお米の粒は
表面の余分な水分を飛ばして再び弾力を取り戻す。
強く香る焦がし醤油の後ろに、控えめなチャプルーの匂い。
それが、醤油味だけど脳内を南国へ連れて行く大事な役目を果たす。
Soy sauce flavored Kufa Jushi Fried rice
「んわー、いい匂い」
腹ペコさんがキッチンにやって来てフライパンをのぞき込む。
出来たよ。持ってくから好きなだけおかわりどうぞ。
腹ペコさんはテーブルに、でんと置いた大皿から
クファジューシーの焼き飯をわしわしと自分の取り皿に移すと、
いただきますもソコソコに大急ぎで食べ始める。
味はどう?
「んー」
塩辛くない?
「んー」
むぅ、聞いてない。何でいつもがっつきご飯なんだろね。
焼き飯もサラダも、こんなにたっぷり有るというのに。
(前世でよっぽどひもじい思いしてたのかねえ、このひと)
途中で、刻んだロメインレタス+キュウリ+トマト+ゆで卵の
サラダからロメインレタスだけ選んで焼き飯に混ぜて食べる。
あ、真似した。
「もう、そういうの教えてよ。自分だけ美味しくしてズルいなあ」
さっきは黙って食べさせてって言ってたのに。
昨日、野菜もパンチェッタもたっぷり加えて
鍋で5カップ炊いたけどもうおしまい。
みんな食べちゃったね。あっという間だなあ。
濃い目に淹れたロースト・マテ茶を飲んで、ようやく落ち着いた腹ペコさん。
「お茶漬けより焼き飯が正解。昨日と全然味が違ってた。
炊き込みご飯の味付けし直したんだね」
ううん、炒めて仕上げに焦がし醤油をちょろっと絡めただけ。
「えー、そうなんだ。やるなあ、焦がし醤油。
今度からクファジューシーの残りご飯は焼き飯に決まり!」
残りご飯を月桃の葉で包んで蒸すのも、
香りが移って美味しいんだって。
「えっ、じゃそれも食べたーい!」
単純だなあ。