沖縄料理の宴 オマケ:フーチバークファジューシーとジューシー翌日ごはん|焦がし醤油のクファジューシー焼き飯
Fuchiba Kufa Jushi|Okinawan mixed Rice with Fuchiba mugwort and Pork
フーチバークファジューシー|沖縄のヨモギを使った炊き込みご飯
苦味の少ない沖縄のヨモギを炊き込んだフーチバークファジューシー。
これは秋に出回る筍、四方竹シホウチクを一緒に炊いたもの。
葉先の柔らかい所を選んで、炊きあがりに加えて蒸らす。
色は悪くなるんだけど、鍋のフタを開けると
湯気と共に立ち上がるヨモギの香りがたまらない。
フーチバーは寒いのが苦手。なので冬の間は刈り込んで休眠。
春になると回り込んだ地下茎から新芽が一気に伸びてくる。
寒い時期は代わりに春菊を炊き込むクファジューシーも
手軽でなかなか旨いのです。
ジューシー翌日ごはん|焦がし醤油のクファジューシー焼き飯
チャプルー:ハイゴショウの葉を刻んで炊き込んだ
クファジューシーを翌日フライパンで焼き飯に。
パンチェッタの脂が米粒を包んでるから、
しっかりと熱した鉄のフライパンにそのまま投入。
木ベラでジャクジャクとほぐしながら炒め
仕上げに鍋肌にジュッと醤油を回して良い香りを立てたら
ご飯全体にムラ無くまとわせる。
そう、使うのは醤油だけ。
小さく刻んで炊き込まれたパンチェッタが
一晩置いて抱え込んだ旨味と塩分をじんわりと放出。
鉄のフライパンで一気に熱を加えられたお米の粒は
表面の余分な水分を飛ばして再び弾力を取り戻す。
強く香る焦がし醤油の後ろに、控えめなチャプルーの匂い。
それが、醤油味だけど脳内を南国へ連れて行く大事な役目を果たす。
Soy sauce flavored Kufa Jushi Fried rice
「んわー、いい匂い」
腹ペコさんがキッチンにやって来てフライパンをのぞき込む。
出来たよ。持ってくから好きなだけおかわりどうぞ。
腹ペコさんはテーブルに、でんと置いた大皿から
クファジューシーの焼き飯をわしわしと自分の取り皿に移すと、
いただきますもソコソコに大急ぎで食べ始める。
味はどう?
「んー」
塩辛くない?
「んー」
むぅ、聞いてない。何でいつもがっつきご飯なんだろね。
焼き飯もサラダも、こんなにたっぷり有るというのに。
(前世でよっぽどひもじい思いしてたのかねえ、このひと)
途中で、刻んだロメインレタス+キュウリ+トマト+ゆで卵の
サラダからロメインレタスだけ選んで焼き飯に混ぜて食べる。
あ、真似した。
「もう、そういうの教えてよ。自分だけ美味しくしてズルいなあ」
さっきは黙って食べさせてって言ってたのに。
昨日、野菜もパンチェッタもたっぷり加えて
鍋で5カップ炊いたけどもうおしまい。
みんな食べちゃったね。あっという間だなあ。
濃い目に淹れたロースト・マテ茶を飲んで、ようやく落ち着いた腹ペコさん。
「お茶漬けより焼き飯が正解。昨日と全然味が違ってた。
炊き込みご飯の味付けし直したんだね」
ううん、炒めて仕上げに焦がし醤油をちょろっと絡めただけ。
「えー、そうなんだ。やるなあ、焦がし醤油。
今度からクファジューシーの残りご飯は焼き飯に決まり!」
残りご飯を月桃の葉で包んで蒸すのも、
香りが移って美味しいんだって。
「えっ、じゃそれも食べたーい!」
単純だなあ。