黒胡椒と柑橘果汁、ココナッツの絶妙バランス|南インドのチェティナード・ラムカレー
Chettinad style Peppered Lamb gravy Curry with Cremini mushrooms
黒胡椒と柑橘果汁、ココナッツの絶妙バランス|
南インドのチェティナード・ラムカレー
南インドではココナッツを使った料理が目に付く。
中でもチェティナードというエリアでは洗練されたスパイス使いで
名だたる料理が多いと聞き興味がわいたのです。
ちょっと調べただけでも、本当にどれこれも口にしたくなるような
完成度の高い料理が山ほど。
一番気になったのが黒胡椒をたっぷり効かせた、酸味のある
ココナッツミルクを加えたチェティナード・チキン。
チェティナード・マサラと呼ばれるスパイスミックスをベースに
グレイビータイプとドライタイプに大別される。
人気メニューだけあって、レシピもバリエーション豊富。
比較的シンプルな材料のレシピを参考に作ってみたら
ものすごく好みの味。
チェティナード・マサラをベースに使うと野菜やキノコ、
シーフードや卵だけでも何でも美味しくなる。
インドでは宗教によって牛や豚を食べないといった制約があるけど
私は神道なので色々試せるのだ。
チェティナード・マサラは牛肉も豚肉も絶品料理に変えてくれる。
この日は、別鍋でラムランプのブロック肉を程よく柔らかに仕上げて
冷凍しておいたブラウンマッシュルームを加える。
濃厚なソースを芯まで吸い込んだマッシュルームはとてもジューシー。
クローブ+カルダモン+シナモン+スターアニスで重厚なアロマを加え、
たっぷりの黒胡椒で鼻先に抜ける香味と舌への刺激を。
タマリンドで旨味と酸味、ココナッツミルク+ココナッツクリーム+
ココナッツファインでクリーミーで濃厚なコク味を積み重ねるリッチなタイプ。
シークワーサー果汁をたっぷり加えて味のバランスを整える。
仕上げの前に香り付けに黒胡椒を一掴み加える。
胡椒の辛みは舌の上で小躍りする感じ。
ちょっと暴れてさーっと引くの。
その時に胡椒の風味と加熱したカレーリーフの匂いや
一つにまとまったスパイス類の香味がふーっと飛び出していく。
ココナッツのもったりとした重さを、煮込んで馴染んだ酸味が軽くする。
通常は香りのアクセントに刻んだコリアンダーリーフを散らすのだけど
ベランダの鉢植えがちょうど花盛りだったから花穂を摘んで合わせた。
チェティナードの豪商達もこんな遊び心はきっと好きなはず。
野菜のスパイス炒め、サブジと島ラッキョウのピクルスと
バスマティライスを添えたら出来上がり。
あれ、今日のカレーはそんなに辛くないんだ。
と、腹ペコさん。
うん、黒胡椒を立たせたかったから唐辛子は気持ち控えめにした。
この花、何?え、パクチーなの?
ちぎってカレーに散らして食べてね。
あ、ホントだ。匂いする。
マッシュルーム旨い。噛むとソースが滲み出る。
ラムも肉がちょうど良い具合にほぐれるし、酸味のバランスが絶妙!
島ラッキョウも合うね、チェティナードまた作ってー
その昔、貿易で財を成した人達が贅を尽くした暮らしをしてたらしい。
昔から宮廷料理があるところは食文化が発達する。
チェティナードは貿易船で外国や遠い場所からの材料が手に入る
小さな王宮だったのかもしれないねえ。