Chinese New Year-3|豚肉餃子と精進餃子作り

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水餃|Boiled Chinese Dumplings

 

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年越し水餃子|
餃子の皮の準備。

強力粉に少しずつ水を加えて菜箸でよくかき混ぜる。
水を吸った粉を丸めて板の上でしっかりと捏ね上げる。
生地のキメが細かくなって叩くとペチペチと音がするようになったら
丸めて固く絞った布巾をかけ、30分から2時間ほど生地を休ませる。

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生地を寝かせている間に豚肉の餃子あんを作る。

豚肉餃子あん作り|
ショウガ+ネギ+ニラをみじん切りにする。
ネギは葉の青い部分も使う。
肉と野菜を同じくらい使うので野菜が多め。
野菜は軽く塩を振って、水気が出たら絞っておく。

脂に旨味のある豚肉を使う。今回は鹿児島の黒豚。
予め冷凍し、切りやすい硬さになったら粗みじん切りにする。
ボウルに入れて、途中で冷水と紹興酒を少量足し
肉の繊維がほぐれるようによく練る。

繊維がほぐれて粘りが出てきたら、おろしショウガを加える。
戻した干し海老を加える。
塩+しょうゆを加える。
ゴマ油を加える。
最後に野菜(今回はみじん切りのネギとショウガ)を加える。
材料を加えるたびによく混ぜる。

コツは豚肉の繊維をよくほぐすこと。
ただし手の温度で温まるので
調味料や野菜を加える際も手早く行う。


「金針菜を使ってお供え用の精進餃子あんも一緒に作りましょうか」
劉さんが袋を差し出した。
「これ、なあに?」
「金針菜はユリ科の花の蕾を乾燥させたもので、身体に良い食材よ。
生の蕾を炒めたのはアスパラみたいな感じ。美味しいから人気があるの」

精進餃子あん作り|
きくらげ+干し海老+干し貝柱+春雨+金針菜など乾物を戻して
粗みじん切りにして、水気を絞っておく。

厚揚げ+白菜+黄ニラを粗みじん切り。

野菜は軽く塩を振って、水気が出たら絞っておく。
厚揚げは粗みじん切りし、キッチンペーパーで水気を拭き取る。

炒り卵を作る。
北京鍋の中央に油を注いで熱した所へ溶き卵を入れ、火を止めて
手早く混ぜながら鍋の余熱で火を通す。
劉さんは柄の長いステンレスのスプーンみたいなのを器用に使っていた。
ぽろぽろにせず、油と絡めてふわりと仕上げるのがコツだという。

材料を全てボウルに入れ、塩+甜麺醤+ゴマ油を加えて混ぜあわせる。


餃子を包む|
生地は、中心を少し厚めに端を少し薄めに7.5cmほどに伸ばす。
市販の餃子皮は9cm前後、一般的な水餃子は6~7cmなので
ちょっとだけ大きめ。

「中身が分かるように、形を変えておくわね」
そう言うと劉さんは、細い指先を器用に動かしながら餃子を包んでいく。
豚肉餃子は中央を合わせ、左右対称に二つひだを寄せた元宝銀型。
仕上げに両方の端を軽く押さえてピッと持ち上げ形を整えた。
(ふふ、並んだ餃子が猫の耳みたいで可愛らしい)

「たくさん作る時は、長く置いて餃子の皮がベタつかないように
台を置いて高さを出した網の上に並べておくの。
網にオイルスプレーで油を少し吹き付けておくと更にくっ付きにくいわ」

「ふーん、それはいい事聞いた。確かにくっ付くと台無しだものね。
あっ、網の代わりにケーキクーラーでもいいかな?」
「高さが有るからちょうどいいわね」

一方、精進餃子はシンプルな半月形にし、両端を重ねて
つまみ合わせた帽子のような形に。さすが劉さんは、手慣れたものだ。
昔の官職にある人達の帽子に似せて作ることで、
出世とか栄誉の願いが込められているそうだ。
(何時の世も安寧な暮らしに、仕事とお金は大事って事なのね)

茹でる際は、温度が下がりにくいよう大きな鍋を使う。
餃子を入れて沸騰しても湯が吹きこぼれないよう、
水の量は七割程度に。

沸騰したら餃子を入れ、フタをしてしばらく茹でる。
浮き上がってきたらフタを取り、レードルの底等で時々沈める。
ぷっくり膨らんで皮が少し透けてきたら茹で上がり。

劉さんは手早くそうめんを茹でると、豚肉を炒めてナスを加え
ニンニク風味の醤油で味付けした具材を乗せて一品作ってくれた。
日本の年越し蕎麦と同じく麺は長寿を意味するそう。

待ちきれず、餃子に箸を伸ばす。

茹でたての水餃子は手作りならではの、もっちりした皮。
それを口に入れた時の満足感ときたら。
豚肉餃子は野菜とうまい具合に絡んで、風味の良さだけが浮き上がる。
精進餃子は具材の旨味が交じり合って、気分が浮き立つ華やかな味だ。
干し海老や干し貝柱はほんの少ししか使っていないのに、タレを付けず
そのままいくつも食べられるほど旨味がある。

タレは刻んだショウガ、唐辛子を加えた酢。
黒っぽいのは五香辣油と豆チを加えた黒酢

大根餅の浮き粉や、精進餃子に使った金針菜はスーパーでは
目にしないけど、ネットで簡単に手に入る。
それ以外は普段使う材料と同じだ。

「お祝いごと以外なら、餃子のあんはその時期、旬のものを使えばいいのよ」
蓮根や里芋、トウモロコシとか、干し野菜で旨味や歯応えを足したり
何でも美味しい具になるのだと劉さんは言う。
「だから、家族でもお気に入りの具の組み合わせはそれぞれ違うの」

味噌汁の具みたいなものね。具材よりも皮のこね方や混ぜ方、
加える調味料の順番だったり、茹で方なんかにコツが有る。
ちょっとした違いが味の差につながる。
それが、何年経っても忘れられない味になるんだと思う。
これだから家庭料理は奥が深い、こういうのが面白いのよね。



高級中華野菜 金針菜 きんしんさい 80g

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