レンキュウ×ニクキュウ×包んだお寿司|いなり寿司と袱紗寿司
Inarizushi|Flavored boiled Rice wrapped in Fried Bean curd
うちのいなり寿司の中身は雑穀米。
黒米が酢に反応してほんのりピンクに染まる。
白いお米よりも複雑な味わいで好きなのです。
基本、目分量で料理しているけど←味見もほとんどしない
寒い時期は酢飯を少しだけ甘めに
暑い時期は甘さ控えめで酢を効かせる。
作ってすぐ食べるか、時間をおいて食べるかで味付けも調整。
適当なりにも気遣いは有るのですよ。
友人と電話で話していた時、今日はいなり寿司を作ったと話したら
「えー、家でわざわざ作るの!?知ってる?
今時いなり寿司見て喜ぶ子なんかいないよー」
コンビニでもお惣菜売り場でも毎日並んでるから、
彼女の子供達は皆バカにして、買ってきても手をつけないそう。
ネコマタギ、というヤツですかね。
でもね、自分で作ったのはやっぱり美味しいよ。
おむすびだってどこでも買えるけど、家で作るのは特別。
特別な仔と特別な人の好物だものねー。
うちではずーーーっとごちそう。
本物のお醤油と自分で作ったみりんに酒+水+塩+キビ砂糖少し。
油揚げにじわりと吸わせて含ませる。
固めに炊きあげたごはんをこね鉢に移し、サーキュレーターで
風を送りながら酢飯を仕上げる。
良い感じに照りが出て、程よく酢を飛ばしたら
いなり寿司用と袱紗寿司用に分ける。
袱紗の酢飯に五目寿司の具を混ぜ込む。
中身はニンジン、レンコン、椎茸、タケノコ、ゴマ、油揚げ。
甘辛く煮て小さく切り刻んで。
味が落ち着くよう先にいなり寿司を作っておく。
薄焼き卵は水+片栗粉+塩で味付け。
片栗粉を少量の水で溶いて二度濾した卵液に混ぜ、しばらく置く。
卵が常温になったら、熱したフライパンにごく軽く油を馴染ませ
キッチンペーパーで拭き取り、余熱で薄焼き卵を焼く。
フタをして30秒ほど待ってからクッキングシートにパサッと移す。
全部焼き終え粗熱が取れたら、重ねた薄焼き卵をひっくり返し
表面が凸凹の方を上にして軽く長方形に握った五目寿司を
中央に置き、両側から四角に包んで、茎をさっと茹でた三つ葉で結ぶ。
冷凍のトビコが有ったから彩りに少し添える。
ガラスの小鉢は水煮タケノコをさっと湯通しして刻み
わさびマヨネーズ+トビコで和えたもの。
熱いお茶を淹れて、お供えしたら
一緒にいただきます。
祖父母に育てられたので、私の好みはおばあちゃんっぽい。
フライパンも鉄。
「薄焼き卵はテフロン製が楽ちんなのに」とか
「レンジでラップ使えば簡単よ」とよく言われるんだけど。
まあ 本人あまり困ってないし、物持ちが良いから多分このまま。
私の袱紗寿司を旨い旨いと褒めてくれた祖父、
亡くなる前、いなり寿司と巻き寿司ばっかり食べたがった祖母、
楽しみにしてた一時帰国直前に急逝した友人。
いなり寿司が大好きでいつも狙ってた黒豆ニクキュウの猫。
いつも出迎えてもらってたけど、今は私がおかえりって言う番。
猫には、見送る時に言い聞かせておいた。
「誕生日と命日と年末年始と連休には帰ってくるんだよ」
「思い出した時もいつでも帰ってきなね」
「あと、週末とか…」←少しもゆっくりできない
キミの兄ちゃんと弟分を見送ったら、
程なく私もそっちへ行くだろうから
その時は忘れずに、寄り道せずに迎えに来るのですよ。
あと、うちのおばあちゃんは猫嫌いだから、
おデコごっちんはしないように。
Fukusazushi|Gomokuzushi wrapped in a layer of paper-thin Omelet