ビールにはコレ!!花椒と唐辛子でダブルの痺れる辛さ|マドゥラ風ピーナッツソースのチキン・サテ

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Sate Ayam bumbu Andaliman dan Kacang Madura|
Chicken skewer Szechuan Peppercorn with Indonesian Peanut Satay sauce




ピーナッツペーストのクリーミーなソースたっぷりの
風味豊かなマドゥラ島発祥のチキン・サテ。
インドネシアの街角やパサール(市場)では、必ず目にする屋台の王様。

ただの焼鳥と侮るなかれ、元々はクセの強いヤギ肉用の花椒を加えた
スパイシーなマリネソースを使っているから、スパイスと香味野菜を
ふんだんに使った甘辛旨味に痺れる辛さ。

赤と緑の二種類の生唐辛子や黒コショウの辛さと中華で言う麻マーが加わり、
ショウガやガランガル、プチニンニクの香味と共に、一つまみの塩。
これら味蕾を全方向から包囲する、多層構造の辛さと刺激が肉に絡んで
長期飼育でしっかり味の霧島鶏の風味を更に押し上げてくれるのです。

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数時間漬け込んだ鶏モモ肉を串に刺し、均等に焦げ目を付けながら焼く。
Bumbu sateピーナッツソースは乾煎りしたピーナッツ、
Terasi発酵シュリンプペーストやBawang merah赤小玉ネギ、ニンニク、
生の赤唐辛子、ココナッツシュガー、タマリンド、Kecap asin醤油の代わりに
ニョクマムを少し…といった素材をペーストにして水を少量加えて
焦がさぬように炒めながら程よく水分を飛ばしたもの。

それを温めてサテにたっぷり乗せ、サンバルソースと合わせた
Kecap manis甘い醤油を少し添え、刻んだBawang merah赤小玉ネギ、
クリスピーなBawang goreng揚げ
赤小玉ネギをトッピング。

これがキリッと冷やしたビールのつまみにピッタリ。
山のように作っても、次々消えていくのです。
花椒たっぷりの麻婆豆腐好きな友人にも、ラム肉も含めこのサテは大人気。
鶏モモ肉が無い時は手羽先を使うのも美味。串を刺す手間も省けて一石二鳥。
チャプルーの葉やエゴマの葉にソースをたっぷり乗せて、芳ばしく焼いた肉と
一緒に包んで食べるのも定番メニュー。

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花椒は日本の山椒とは違って、甘やかでクローブやロングペッパーの様な
温かみのある香りがする。実を砕くと、いつまでも舌に残る痺れる辛さ。
日本の山椒がビリビリと尖った痺れなら、花椒はシリシリと細かく痺れる感じ。
この香りの良さと、長く続く痺れる刺激が病み付きになる所以。

インドネシア語でAndalimanアンダリマン。
現地ではさほど頻繁に使う必須のスパイスではないと思う。
お気に入りの料理ブログで見たレシピがとにかく美味しそうで
作ったらとても好みの味。で、少しだけアレンジして楽しんでいます。


そんな大好きな花椒が安く買える新大久保のイスラム横丁に
まだ通い始めたばかりの頃の事。
花椒が小袋入りしかなくて若い店員に、前に売ってたもっと大袋のが
欲しいんだけど、と伝えたらストックヤードから袋詰して持ってきてくれた。
店の奥で商談を終えた店主が
「そんなに沢山一体何に使うの?それ、山椒だよ」
と、興味津々で聞いてきた。

サテのマリネ用とか中華料理とか肉のソースにも使う、と答えたら
「サテ!そう、私もサテには必ず使うよ」
ラム肉とかホント、美味しくなりますよねー、なんて話していると

「子供の頃家の近所に大きな古い樹があってね、よく皆で木登りしたものだよ」
と、懐かしそうに思い出話をしてくれた。
すごい!一体樹齢何十年なんだろう。
収穫時期にはきっと鈴生りなんだろうなーと想像して
中国で育ったんですか?と聞いたら少し眉をひそめて
「山椒は中国のじゃない。元々ネパールの物だよ」
と少し不満気な様子で言った。

英語名ではSzechuan Peppercornだし、中華料理にもよく使われてるから
私の頭の中では四川と思い込んでたの。

実は店主はビルの2Fで有名なネパール料理店も経営してたのです。
でも、その後はサテ以外にバーベキューの下味にもぴったりで…といった
簡単な作り方も次々教えてくれて、気持ちの良いおしゃべりになった。
自国の伝統的な香り高いスパイスを、彼にとっては外国人である私が
日常で愛用している事に好感を持ってくれたみたい。

「それ、山椒だよ」
と、わざわざ伝えるのも普段日本人はあまり買いに来ない
スパイスだからかな、と感じた。

中国とインドに挟まれたネパールは歴史背景も複雑。
国を離れて生活する人は、より愛国心が強まるのかもしれない。
彼の故郷に対する誇りやプライドを感じた一言だったのです。

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参考サイト|
DENTIST CHEF by Dedy Oktavianus Pardede
Szechuan Style Lamb Skewer with Indonesian Peanut Satay Sauce
(Resep Sate Kambing Sichuan Bumbu Kacang)
https://dentistvschef.wordpress.com/2013/02/15/szechuan-lamb-skewer-with-indonesian-peanut-satay-sauce-resep-sate-kambing-sichuan-bumbu-kacang/

インドネシア語と英語で書かれた旅行記とレシピのブログ。
根っから料理好きで美味しいものを食べるのが大好き!なのが
すごく伝わる内容で、彼も姪御さんのパーソナルシェフだと
プロフィールに有って、あー私と同じ♡と勝手に親近感。
うちは小粒なコックレベルですけども。


Foodgeeks.com by tulsiregmiphd
Lamb Sekuwa (Classic Nepali Grilled Lamb Skewers)
http://www.foodgeeks.com/recipes/lamb-sekuwa-classic-nepali-grilled-lamb-skewers-18488

店主の話でネパールの串焼きに興味がわいて探したのがこのレシピ。
Khasi ko Sekuwa|Lamb or Mutton Sekuwa羊・山羊肉の串焼きは
カシ・コ・セクワと呼ぶそう。
マリネソースに花椒とAsafoetida|Hingヒングを使うのが面白い。

 

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