手作りサンバルの旨辛ミー・ゴレン

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Mie Goreng |Fried Noodles with Vegetables


お手軽なインドネシア料理の代表、ナシ・ゴレンとミー・ゴレン。
ナシ・ゴレンは炒めごはん。
ミー・ゴレンは野菜や肉と共に炒めた麺料理、インドネシアの焼きそば。

ナシ・ゴレンの素、カリ・アヤムの素、といったBUMBU INSTAN
ブンブ・インスタンと呼ばれる袋入りのレトルト調味料や
袋入り乾燥麺タイプが複数のメーカーから出ている。
お手頃価格だからバリ島旅行のお土産の定番。
ミー・ゴレンの味付けはナシ・ゴレンの素で代用できます。
結構おいしくて香辛料の香りも有って簡単で便利。

ミー・ゴレンの味を構成するのはケチャップ・マニスとサンバル。
そこにオイスターソースやケチャップ・アシン、肉や野菜の旨みが加わる。
本来シンプルな料理で目玉焼き付きはIstimewaスペシャルだった。
でも今は目玉焼きは普通に付いてて、
サテやアヤム(チキン)付きがスペシャルな扱い。


サンバルは加える食材によって何種類もあって、店頭で迷うほど売ってる。
だけど、インドネシアの奥さん達は手作りサンバルが一番よ!って。
手作りサンバルはとにかく万能。ディップやソースにも調味料にも。
旅先で食べた味や自分の好みを加えて、数回作ると段々味の方向が固まる。
結局私も手作りサンバル派になっちゃいました。だって旨々なんだもの。
現地に居るように毎回フレッシュな材料で作るという訳にはいかないので
作り置きを冷凍して使います。


と言う訳で、サンバルを用意。うちでミー・ゴレンによく使うのは
Sambal Goreng Istimewa(Terasi Tomat Pedas)
トマトとトラシとその他色々入った、こっくりした甘辛いサンバル。
ミー・ゴレンの味付けはナシ・ゴレンよりちょっとだけ甘め。


サンバルの材料:
Terasi udang(発酵エビペースト)を使い、Bawang merah(Shallot)
Asam(Tamarind)、Ketumbar(Coriander seed)、Gula merah(Palm sugar)
トマト、レモングラス、塩を入れて油で炒め、ベランダ栽培のフレッシュな
唐辛子Cabe rawit、Cabe merahの二種類で辛さと香り・旨味を追加。
汁気が無くなるまで炒めたら火を止め、Jeruk Nipisの代用でタイのマナオを
絞ります。サンバルは5日位して味が馴染んでから小分けして冷凍。

インド人がえっ!ってびっくりする辛さの唐辛子を←日本の唐辛子か、と油断
種ごと入れてるから、ものすごーーく辛いです。
だから、うちのミー・ゴレンは本当は
Mie goreng pedasミー・ゴレン・プダス(辛い)って付けないと。


次にケチャップ・マニスを用意します。
Kecap manis(Indonesian sweet soy sauce)
Kecap manis sedang(Medium sweet soy sauce)
こってり濃厚なのと甘さ程々の二種類あって、うちで作るのはsedang。
中華の甜醤油と材料がほぼ同じなのでMedium sweet にして共用してます。

ケチャップ・マニスの材料:
醤油、Gula merah(Palm sugar)、Arak Beras(Rice spirits米焼酎
Andaliman(Sichuan pepper花椒)、Chen Pi(Citrus Peel陳皮)
Adas bintang(Star anise八角)、Kayu manis(Cinnamon stick肉桂)
Jahe(Gingerショウガ)、Bawang daun(Welsh onion長ネギ)

これらを鍋で弱火で煮て濾す。
好みのとろみの二歩手前で火を止めるのがコツ。←余熱で結構蒸発するので
グラ・メラが無ければ黒砂糖で代用して、アラックは米焼酎・日本酒でも。
陳皮は漢方薬のお店で買えるけど、冬に無農薬の香りが良いみかんの皮を
細切りして干したものを使用。味の決め手の調味料なので美味しい醤油を。
甜醤油ではシナモンじゃなくて香りがワイルドな桂皮カシアの樹皮を使用。


サンバルとケチャップ・マニスがあれば、後は簡単。
肉・野菜を切って炒めて、麺を加えてほぐして調味料を入れ、味を整える。
目玉焼きやスライスしたキュウリ、Acarアチャールという甘酸っぱい
ピクルスを添えて、サンバルと共にKrupuk udang(Prawn crackers)
クルプック・ウダンやEmping(Melinjo chips)ウンピンといった
揚げせんべいがあれば完璧。
お客様は間違いなく長居します。←満腹で色々どうでもよくなるらしい

バリ島やジャワ島の食堂、WarungワルンではKacang asinカチャン・アシン
という塩ガーリック風味の小粒のピーナッツが、お皿の横や小皿で一緒に
出てくる事も。このピーナッツはナシ・ゴレンにパラリと乗ってることも
あって最初はびっくりしたけど、一緒に食べると豆の風味と食感が楽しい。


うちで作る時の具材はどれもごく少量。
Bawang merah(Shallot)、Temu kunci(Chinese keys)
Langkuas(Galangal)、ニンニク、ニンジン、干し小エビ
鶏肉、スープセロリ(セロリ)、小松菜かホウレン草、空芯菜
水気が多いとベッタリして口当たりが良くないので
初めに強火で炒めて肉や野菜の水気をざっと飛ばしておきます。

最初の3つは無ければそのままで、鶏肉・豚肉でもエビでもOK。
私はお肉が無い時、ニッスイの太ちくわを細く切って加えます。←冷凍

焼きそば用の生麺を袋のまま、外からもみほぐしておくと
これだけで水も要らず、炒め時間が短縮出来るから忘れずに。
麺を炒めてほぐしたら調味料を。
サンバル、ケチャップ・マニス、塩、胡椒(ホワイトペッパー)で
大抵美味しくなります。
どうしても旨味が足りなければSaus tiram(Oyster sauce)や
Kacang asin(Salty soy sauce)か醤油、ニョクマムなど加える。
盛りつけたら、麺の上にBawang goreng(バワンメラの薄揚げ)をパラリ。

市販品を使うなら、Sambal Bajakサンバル・バジャックがオススメ。
「海賊のサンバル」って意味だけど、ビンのフタを開けると
小さい海賊たちが次々降りて来て、ガーッとごはんをかっさらって行く
そんなイメージが浮かんじゃうんですが。実際、ごはん泥棒です。
レモングラス、ランカス、サラムリーフなんかが入ってる。

Sambal Baladoはバラドは地名。バラド風チリソース。
Sambal Terasiはそのまんま、トラシ入のチリソース。
Sambal Hijauヒジョウはグリーン。
チャベ・ラウィット入りのグリーン・チリソース。
タイのプリッキーヌー・スワンと近い種なので味も激辛。

ちなみに現地ではABCはアーべーチェーなのです。
エービーシーだとお店で通じないことも有る。
以前別商品で違法添加物混入・回収騒ぎもあった。
日本も含めてどこの国でも安い・簡単な市販品はリスクがあるって事。
だから、奥さん達は安全で美味しいサンバルを毎日手作りしてるのかもね。


参考サイト
中華のツボ! 玲舫's ぶろぐ
http://reihow.blog12.fc2.com/blog-entry-116.html
調味料の作り方から本格中華まで。
レシピ通り作った料理はどれもすごく美味しい。
独特の兄さんっぽい言い切り口調も楽しみのひとつ。
書籍が出てたら絶対買うのになー


KOKITA サンバルバラド SAMBAL BALADO350g瓶
 

 

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